発売：１９９３年　メディア：ＰＣ９８（ＦＤ４枚組）／ＦＭ-ＴＯＷＮＳ　ＣＤ-ＲＯＭ１枚
最終更新日 2018.08.21

－概要＆感想－
　舞台は宇宙船「パーシング」内、主人公はハイパースリープから目覚めた直後、自分の記憶が無いことに気付いたところから始まるＳＦアドベンチャーゲーム。スタートはまったく同じだが、ゲームの構成は３つのシナリオからなるオムニバス形式になっている。普通、オムニバス形式のゲームは一本道のシナリオの集合体という形式がほとんどだが、このゲームのシナリオ２はプレーヤーの選択するコマンドでストーリーが変化するマルチエンド形式になっているのが珍しい。ボリュームこそあまりないものの、各ストーリーとも非常に良くできていてストーリーに引き込まれる。特にシナリオ２Ｃのもの悲しい雰囲気が印象深い。シナリオ３も個人的には実にマルで、ダークなストーリーから一転してこういうシナリオを持ってくる演出はなかなかに凄いと思う。音楽もシナリオ１・２の重厚な音色から一転してアップテンポになる所はかなり笑った。途中で出てくる怪物「ロキ」の名前は北欧神話に登場するオーディンの義兄弟でいたずら好きの邪神「ロキ」（トリックスター）の名前からとったものであろう。

　うめつゆきのりさんの描くキャラも最高。特におねーさん系のキャラデザをしっかりと描ける絵師は少ないので、ユカも実に捨てがたいが個人的に一押ししたいのがケイトさん。ダーク系に統一された背景と、華やかだがどきつくない人物の彩色も実に良く、とても１６色とは思えない仕事。このクオリティのＣＧなら２１世紀になった現在でも相当目を引くであろう。

　ＦＭ-ＴＯＷＮＳ版は音楽がＣＤ-ＤＡになっており、ＰＣ９８のＦＭ音源とは別次元の音質で楽しめる。エンド時に流れるもの悲しいＢＧＭは鳥肌が立つほど感銘を受けた。これと「きゃんきゃんバニーエクストラ」のＴＯＷＮＳ版はこの時代でトップクラスのＢＧＭだと思う。誉めてばかりだけど、私的にとてもプッシュしたい作品なので…（笑）　しいてケチをつけるとすれば、シナリオのボリュームがもう少し欲しかった。もう少しシナリオに厚みがあれば、「河原崎家の一族」に並ぶ、いわゆる「館物」の名作と呼ばれていたであろう…。

　このソフトをプレイして「キャッツプロ／メロディ」は私的期待ブランドの筆頭に躍り出たのだが、次にリリースした「ふぇち」「いけにえ～享楽の神殿～」のダブルパンチで最低ランクに落ちてしまった…。両ブランドは２１世紀になっても良いゲームをコンスタントにリリースしているのだがいまいちメジャーになりきれないのはこういうポカをやらかすからのような気がする・・・。なお、このソフトはキャッツプロの第２作目ということで「ＣＡＴ'Ｓ　ＰＡＲＴ－２」という仮題が付けられていた。

－詳細攻略－

□　１ｓｔストーリー
エンディングは１つなのでストーリーを追うだけで良いが、前半のコマンド選択でＨシーンがあったりなかったりするのでＨシーンを見たい人は注意。あと、第三デッキの下にエアロックがある事を忘れないこと（船内は４重構造）。

主人公が目覚めてから…

・部屋を調べる→部屋を調べる
・周りを調べる→人影を追う

→ケイトさんと会う

・音の聞こえるほうへ行く→エンジンルーム　ｏｒ　脇の通路（飛行機を調べない場合）

→ユカと会う

・音の聞こえるほうへ行く→脇の通路→飛行機を調べる

→アレックスと会う

と分岐するが、その後は同じ展開になるのでお好みの人と会おう

Ｈシーン

・ユカに艦内を案内してもらってからユカの部屋へ行くとＨシーン

・艦内を行動できるようになったらナッツの部屋に行き、ナッツの悩みを聞かないで部屋を出ると呼び止められＨシーンへ

□　２ｎｄストーリー
このシナリオはイベントをこなすことによってエンディングが分岐する。ただし「マリー」とＨしてしまうと強制的に自分が「ロキ」のエンディング（２Ｂ）になるので注意。

【　シナリオ　２Ａ　】
以下のイベントをこなす。

・ハイパースリープから目覚めたら　「部屋を調べる」
・ハイパースリープルームから出たら、廊下で　「辺りを調べる」
・惑星ニューメリアから一緒に救出された女性（ユカ）に会いに行く
・ハイパースリープルームでオルゴールを見つける
・ユカと会って警報が鳴ったとき、ユカを安全な場所に連れて行く
・レミーが怪物に襲われたあとで部屋に行きレミーとＨをする

【　シナリオ　２Ｂ　】
「マリー」とＨをすれば強制的にこのエンド。

【　シナリオ　２Ｃ　】
・シナリオ２Ａの要求イベントを全てパスするとこのエンド。Ｈシーンが全くないので３ｒｄストーリーで補完しよう。

□　３ｒｄストーリー
シナリオ２Ｃをクリアすると出現するエロエロシナリオ（笑）
エンドレスなので欲望の赴くままにプレイ。

（参考文献）
・美少女ゲーム最前線パート１１　（辰巳出版）

（ゲーム評価）
・シナリオ：Ｂ　ＣＧ／音楽：Ａ　システム：Ｃ　総合評価：Ｂ